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メトロ『松利駅』
(・・・大丈夫
今の私を見て・・・
「私」と気づく人はいないわ・・・
絶対に二人で
逃げ切る・・・)
花菜は混雑した電車に身を紛れ込ませながら考えていた。
電車はその思いも飲み込んで動き始めた。
(そう、決めたんだ)
昨夜のホテル。
花菜は髪を短く切った。
「ゴメンね、自分じゃ後ろは切り難くて・・・」
床に落ちた花菜の髪。
「いえ・・・その・・・
なんかかわいくなりましたね」
花菜は翔太をぎゅっと抱きしめて先ほどの相談の結果をもう一度聞いた。
「ねぇ、最後に確認させて・・・
翔太くんは本当にこのまま逃げ続ける選択肢でいいのね?」
翔太は花菜の裸の背中に手をまわして答える。
「はい。
結城さんと・・・
カナさんと一緒なら」
15歳と30歳の二人、このまま逃げ続ける覚悟をしたのだ。
『小間井―小間井―お降りの方は―』
覚悟を確認しあってからどれくらいたったのか。
二人は別々に行動をし、ここのファストフード店で落ち合う約束をしていた。
でもその店に向かう道の途中には・・・
警官が立っていた。
今までならいることさえ気に留めることもなかったろう。
しかし殺人犯の逃亡を助け、自らも罪を犯してしまった花菜にとって警官はただそこに立っているだけで自分を追い詰める脅威となってしまった。
ただ通り過ぎればいいのだ。
ただの歩行者として。
抑えることのできない動悸と焦りを必死で隠しながら花菜は警官の前をなんとか通り過ぎた。
「ふう・・・」
花菜は息をひそめるようにじっと待った。
「翔太くん大丈夫かな?
早く来て・・・」
花菜には逃げ切るための計画があった。
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