『中三、冬、逃亡中。』あらすじ6巻
コミなびは電子コミック配信サイト
試し読みは無料です!(スマホ限定)
▼▼試し読みならこの画像をクリック▼▼ ▲▲ここから直接試し読みできます▲▲
「あれ!松谷さん、これから出るんですか?」
人も少なくなった夜更けに松谷は警察署の玄関で呼び止められた。
「・・・あぁ、張り込みにな」
車のキーを手に松谷は答える。
「いや、それよりこれから捜査会議ですよっ!」
後輩の刑事は焦って引き留めようとするが松谷は意に介さない。
「・・・林田」
「?」
「適当に誤魔化しておいてくれ。
今はそんなコトしてるヒマはねぇ」
「ちょっ・・・?!」
そう言ってそのまま署を出て行ってしまった。
(やっとつかまえた尻尾だ・・・・)
まだ誰も気づいていない小さな手がかりを見つけた松谷に捜査会議など意味をなさない。
ただ自分の手にしたモノを疑惑から確信に変えるのみだ。
(必ずその巣穴から引きずり出してやる)
花菜のマンションの前に車を止め、じっと、ただ、待つ。
花菜は残業でもしたのだろうか、真っ暗な夜道を帰ってきた。
松谷に見られているとも知らずに。
マンションの部屋では翔太と二人、翔太の勉強を見てやりながら花菜は時間を過ごしていた。
そこで鳴る携帯。
「もしもし」
花菜は翔太のいるリビングを離れながら電話に出た。
「それってつまり・・・えっ、ウチに?」
「!?」
(あの深夜に帰ってきた日以来、結城さんの電話はよくなるようになった・・・)
花菜は電話をしながらチラッと翔太を見やる。
「う・・・ん・・・、ゴメン、私その日は家にいなくて」
(迷惑かけちゃってるな)
花菜は電話を切ってリビングに戻ってきた。
「ごめんなさい
いやその・・・俺のせいでかっ、カレシを家に呼べなくて・・・」
「そんなコト気にしなくていいんだよ」
花菜は特に否定もしなかった。
翔太は複雑な気持ちになっていた。
(やっぱりカレシなんだ)
翔太の心の奥底に表現し難い気持ちが沸き起こっていた。
コミなびは電子コミック配信サイト
試し読みは無料です!(スマホ限定)