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夜。
花菜は卵を溶いてフライパンに流し込んでいた。
リビングでくつろぐのは翔太・・・ではなくなぜか健(たける)だ。
「びっくりしたよ、急に来るんだもん。」
花菜は台所から健に話しかけた。
「近くで用があったからさ」
(・・・この家に人が隠れているとしたらどこだ?)
(風呂トイレベランダ・・・)
健は花菜の様子を伺いながらも部屋の見取り図を頭に浮かべて考える。
その頭の中はとても恋人の家にきたカレシのそれではない。
その時リビングのクローゼットから何かが落ちる音がした。
「?!」
自分の探し物とその音は当然答えにつながる。
健は掛けていたベッドから立ち上がり、そっとクローゼットに歩み寄る。
(しまった・・・落としちゃった・・・!)
中では翔太が収納された服の影でじっと縮こまって座っていた。
花菜の部屋にあるべきではないゲーム機を一緒に持ち込んでいたのだが手からするりと落としてしまったのだ。
高鳴る胸の鼓動は健のものか翔太のものか。
クローゼットに健の手がかかろうとしたその時――
「ご飯ができたよ」
花菜がリビングに入ってきた。
「!!」
その動作のまま健の動きが止まる。
「・・・どうしたの?」
花菜はクローゼットに手を伸ばす健に問いかける。
「いや・・・」
健はその手を下ろし、それ以上踏み込むのをやめた。
2人はこたつに向かい合い、健は花菜の作ったオムライスを食べ始める。
「ソレ食べたら今日は帰ってほしいの」
花菜はそう切り出した。
しかし健は何故かここにきて別れを切り出した理由を花菜に話始めたのだった。
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